鋼材の種類と特徴
鋼材について、種類と特徴をまとめたいと思います。
建築に疎いとアルファベットしか情報がないので、覚えるのが苦痛です。
ここでは、少しでも印象に残るように、よけないな話もお知らせします。
鋼材の特徴
鋼材は鉄と炭素の合金です。
炭素の割合が多くなると引張強度や降伏点強度、硬度が高くなります。
その代わり、伸びが悪くなって、溶接が悪くなります。
引張強度は、炭素含有量が0.8%の時に最大となります。
引張強度は、200~300℃で最大となります。
500℃付近で半減して、1,000℃になるとほぼゼロになります。
テストには出ませんが、一般的に「鉄」というと合金です。
鉄単体の状態のものは、よほど特別な人でないと見る機会はないでしょう。
「鋼鉄(こうてつ)」なんていうとすごい鉄の様に思えますが、一般的に「鉄」といえば、「鋼鉄」のことです。
金属の性質
参考書などを見ると、たくさん色々書いてあるのですが、線膨張係数やヤング率などを覚えている人は、業界の人でもほとんどいません。
そこで、比重や溶融点くらいは覚えておきましょう。
金属 | 比重 | 溶融点(℃) |
アルミニウム | 2.69 | 660 |
鉄(鋼) | 7.85 | 1,530 |
銅 | 8.93 | 1,080 |
鉛 | 11.3 | 327 |
よく言われるのは、鉄はアルミニウムの約3倍重い。
比重で言うと、約3倍です。(2.92=7.85/2.69)
同じ大きさの鉄とアルミニウムがあったら、鉄の方が3倍重いという意味です。
問題では、アルミニウムの重さは鉄の1/3だ、という具合で出ます。
溶融点とは、個体が液体になり始める温度のことです。
鉄の場合、約1,500℃という言い方で問題に出ることがあるようです。
「溶融点」と言ったり、「融点」と言ったりします。
どちらも同じもので、鉄の場合、1、530℃で、約1,500℃です。
引張強度が200~300℃だったり、500℃くらいから赤くなることから「赤熱温度」がでてきたり、500℃では引張強度が半減したりするので、ごちゃごちゃになりそうです。
一度まとめておいた方が良いかもしれません。
鋼材の種類
JIS(日本工業規格)で規定されている鋼材の種類についてお知らせします。
少しでも印象に残るように、画像も付けますが、著作権や守秘義務の関係でまだまだ少ないです。
出来るだけ追加していくようにします。
SS(エスエス)
SS(steel structure)は、一般構造用圧延鋼材のこと。
板材のことで、板の鉄を見たら、SS材だと思って良いでしょう。
「SS400」みたいに使います。
製鉄所などで、どろどろに溶けて真っ赤になっている鉄を見たことがあるかもしれませんが、あれを段々ローラーでつぶしていき、既定の厚さにすることを「圧延」といいます。
「一般」とは、「普通によく使う」という意味で良いでしょう。
「構造用」というのは、「何か作るときに使う」というイメージでしょうか。
「圧延鋼材」とは、「圧延してつくった鉄の板」という意味です。
つまり、SS材(一般構造用圧延鋼材)というのは、「普通によく使う圧延した鉄の板」という事です。
上の画像のものは、敷板などでしょうが、SS材を加工したものだと思います。
SSC(エスエスシー)
SSC(Steel Structure Cold Forming)は、一般構造用軽量形鋼は、「リップ溝形鋼」とか、「C形チャンネル」とか言われているやつです。
英語を調べるとC形のCだと思ったら、ColdのCだったという・・・
何の略か聞かれたことはありませんが、日本語と英語を結びつけることで覚え易くでしょう。
さて、SSCは「Cチャン」と呼んだ方が馴染みがあるかもしれません。
天井や壁などによく使われています。
壁のCチャンはこんなの。
二級建築施工管理技士の試験では、詳細に問われるわけじゃないので、「SSC」の「C」は「Cチャンのこと」と覚えたら良いと思います。
問題では一切「Cチャン」とか出てこないので、「SSCは一般構造用軽量形鋼」と覚えておいた方が良いでしょう。
STKR(エスティーケーアール)
STKR(Steel Tube K:構造 Rectangular)は、「一般構造用角型鋼管」です。
「K」が「構造」のKだったとは・・・
日本語だし。
「Rectangular(レクタングラー)」は「長方形」です。
良い画像がなかったのですが、中空の角型の鋼材です。
ホームセンターに撮影に行ってきました。
こんなやつです。
断面が四角形です。
SM(エスエム)
変な事を考えたかもしれませんが、「それ」ではありません。
建築におけるSM(Steel Marine)は、「溶接構造用圧延鋼材」です。
「溶接」「構造用」「圧延鋼材」なのに、「Steel Marine(鉄の海)」って意味が分かりません。
マリンとは、海軍を示し、海軍船を溶接で作ったので、SM材と言う・・・という説が他のサイトでありました。
実は、この頃の船はリベットでつないでいたという話なので、海軍説は本当かどうか分かりませんが、「海軍用の鉄で溶接しやすい圧延材はSM」と覚えてしまえば、意味のないSM材も溶接用の圧延材だと覚えられます。
STK(エスティーケー)
STK(Steel Tube K:構造)は「一般構造用炭素鋼管」です。
また出たよ、「K」は「構造」のK。
日本語だし。
「Tube」は中空ってことです。
中が抜けていて、ストローみたいになっているという意味です。
丸とか四角はここでは指定していませんが、STKと言えば丸です。
これは、いわゆる「単管」です。
「鉄パイプ」と言った方が一般的なのかもしれません。
時々、足場を組むのに使ってあったりします。
最近では、組み立て式のビケ足場がほとんどだけど、昔は、単管で組んだ単管足場もありました。
単管には、「STK」と印刷されたものもあります。
BCP(ビーシーピー)
ずっと「S」スタートだったのに、急に「B」スタートです。
BCPが何の略か分かりませんでした・・・
多分「Building Cold Forming Press」とかだと思います。
「B」の「Building」が「建築」。
「C」の「Cold Forming」は「冷間圧延」のことで、日本語の指すどれでもないのだけれど・・・
「P」は「Press」で「プレス成型」のことだと思います。
過去問を見たけれど、BCPが出てきたことってほとんどないので、「そんなのあったな」くらいで良いと思います。
BCR(ビーシーアール)
BCPがプレスならば、BCRは、ロールして角型にした鋼管なので、BCRは「建築構造用ロール成型角型鋼管」です。
SN(エスエヌ)
SN(Steel New structure)は「建築構造用圧延鋼材」です。
直訳すると「新しい構造の鉄」とか「新構造用の鉄」とかになるのでしょうが、「建築」も「圧延」も「鋼材」も出てきません。
昔から鉄は、SS材とSM材が使われていましたが、1994年に建築構造専用の鋼材としてSN材がJIS規格で制定されたことから「新しい」の「N(=New)」が付いたみたいです。
建築用に作られた新しい規格の板だと覚えてしまいましょう。
普通に使うのが「一般構造用」で「SS」
溶接に使うのが「溶接構造用」で「SM」
建築用は一律新しくて「SN」
と言う感じです。
こうなってくると、理由とかどうでも良いのでしょう。
「New」だっていつか古くなるのに・・・
どうにかこうにか印象付けて、覚えるしかないという項目と言えます。
STKN(エスティーケーエヌ)
STKN(Steel Tube K:構造 New structure)は、「建築構造用炭素鋼管」です。
似た名前で、上に「STK」があります。
これまた建築用に新しくできた規格なので、「N(=New)」が付いています。
ぱっと見、単管(STK)です。
これも「そんなものか」と覚えるしかないでしょう。
SNR(エスエヌアール)
SNR(Steel New structure Round bar)は「建築構造用圧延棒鋼」です。
棒です。
中身も詰まった棒材です。
SD(エスディー)
SDと言ったら鉄筋の種類を表す。
特に異形鉄筋のこと。
異形鉄筋とはこんなやつです。
ちょっとさびている画像しかなかったけれど・・・
SD345と言ったら、降伏点が345M/mm2以上であることを示している。
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