既成コンクリート杭の工法とは

2020年4月25日

コンクリート杭の問題は、二級建築施工管理技士の試験では、毎回1問くらいは出ていると思います。

どんなものか覚える程度で良いので、チェックしておいてください。

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杭地業

まずは、杭事業について。

杭事業は、「既製コンクリート杭」と「場所打ちコンクリート杭」の2種類に分かれます。

 

「既製コンクリート杭」は、既製品の杭を使います。

「場所打ちコンクリート杭」は、現場でコンクリートを打ち込んで杭を作ります。

 

一覧にするとこんな感じです。

杭工法

 

以下は、「既製コンクリート杭」のみお知らせしています。

場所打ちコンクリート杭はこちら。

⇒ 場所打ちコンクリート杭

 

既成コンクリート杭の工法とは

打込み工法

一般に杭径が600mm以下の施工に用いられる。

群杭(1か所に2つ以上ある杭)は、なるべく群の中心から外に向けて撃ち進める。

 

打撃工法・・・ハンマーを使うので、騒音、振動が大きく市街地などでは問題が起きやすい。

昔の工事現場のイメージはこれでしょうね。

 

プレボーリング併用打撃工法・・・油圧パイルハンマーやドロップハンマーを使う。

通常、粘性土の場合のオーガーの掘削径は、杭径-50mm程度

孔の方が狭いです。

要するに、下穴をあける方法。

工事現場

 

既成コンクリート杭の工法は、4つ覚えたらOKでしょう。

プレボーリング工法(セメントミルク工法)

アースオーガーによってあらかじめ掘削された杭孔に、根固め液(セメントミルク)とともに既成杭を建て込む工法

杭径は、300mm~600mm。

施工深度は30m程度。

アースオーガーで掘削した孔(杭径+100mm程度)に杭を設置する。

杭よりも孔の方が大きいです。

プレボーリング工法

まずは、アースオーガーで支持地盤まで掘り進めます。

アースオーガーは、正転でゆっくり掘り進める。

掘削中は、孔の崩壊を防ぐために安定液をオーガー先端から噴出します。

 

掘れたら、アースオーガーは引き抜きます。

抜くときも正回転で抜いていきます。

土が落ちないようにしています。

この時、根固め液(セメントミルク)を同時に注入していきます。

 

根固め液の4週圧縮強度は20N/mm2以上。

 

根固め液を注入して、そのあとに既製品の杭を打ち込んで完了。

孔周固定液の4週圧縮強度は、0.5N/mm2以上。

 

ちなみに、「4週圧縮強度」とは、材齢4週のときの強度のことをいいます。

設計上基準強度となっている。

 

プレボーリング工法って、「プレ(事前に)」「ボーリング」する工法って考えてみれば、そのままの名前ですね。

覚えやすい。

オーガーってこんなのです。

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特に「アースオーガー」って地球を掘るオーガーって感じで無理くり覚えましょう。

「根固め液」⇒「杭周固定液」⇒「杭の挿入」と言う施工順序を覚える必要があります。

 

なお、伏流水がある地盤では、セメントミルクが流れ出したり、薄まったりするので、使えません。

 

中堀り工法

杭の中空部をスパイラルオーガーなどで掘削して、土を上部へ排出しながら杭を圧入していく工法。

中堀り工法

アースオーガーは抜くだけの方法の他に、アースオーガーの先端が広がるようになっていて、孔を拡大する方法があります。

その他、先端から根固め液などを噴射して先端を掘り進める方法があります。

 

共通することは、パイプ状になっている杭を圧入するのだけれど、その内部にアースオーガーが入っていて、掘りながら杭を埋めていくことです。

杭の中を掘っていくので中堀工法ですね。

 

砂質地盤の場合は、ゆるみが激しいので、先掘り長さを少なくします。

 

回転圧入(根固め)工法

杭先端部の特殊金物により掘削を行い、杭体に回転力を与えながら圧入する。

所定の位置で根固めする工法。

回転圧入工法

杭芯セット後回転圧入を開始します。

支持層を確認したら、やっとこを抜いて施工完了。

杭をそのまま圧入していく工法です。

 

先端の「掘削カッター」などが重要なキーワードと言えます。

 

回転させながら圧入していく工法なので、回転圧入工法です。

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